アマビエに続き、山梨発のヨゲンノトリが話題になっています。
安政4年(1857)、加賀白山に現れ、翌年のコレラ流行を予言したというこの烏。
姿を拝んで信心すれば、やはり難を逃れることができるということで、ほのぼのした
ビジュアルとあいまって、人気急上昇中です!
「加賀白山って石川県ずら」って?
どうやらこの不思議な鳥、当時は日本中の話題だったみたいなんです。もちろんコレラ流行中の山梨でも。
そんなとき、市川村(山梨市フルーツ公園の麓あたり)の村役人、喜左衛門さんも、出張先の甲府で、不思議な鳥の噂を耳にしました。
「体がカラス、頭が2つ、今のコレラ禍を的中させるとは、すごいやつだ」・・筆まめだった喜左衛門さんは、その姿をイメージしてイラストに描いてみました。
そうやって、わかりやすい絵付きで記録を残してくれたのは、文献的にわかっている範囲では、日本全国で・・喜左衛門さんだけだったのです
\(^o^)/
山梨に、一番詳しく証拠が残っていたってことですね。
県立博物館の学芸員さんの間では、ずいぶん前から話題になっていたようで、ツイッターで発信され、全国で話題になりました。
そして160年前、疫病封じの救世主だったヨゲンノトリですが、今度は、地元のさまざまな商品のデザインにも使われ、町の経済も助けているのです
ヨゲンノトリ大活躍。これは呼び捨てしたら怒られそう。笑
不思議な鳥、デザインを残された喜左衛門さん、発掘された博物館の学芸員さんに感謝です。
関連スポット
「県立博物館」
ヨゲンノトリの元となった、喜左衛門さんの「暴瀉病(ぼうしゃびょう=コレラ)流行日記」を収蔵。原本が展示されています。ヨゲンノトリコーナーは、8月17日まで展示。
山梨県民、静岡県民に限り、8月31日まで半額で入場できます。また、申請は必要ですが、山梨県内の方は、喜左衛門さんの描いたヨゲンノトリを無料で商品デザインに用いることができます。
感染防止対策を徹底したうえで開館中です。
「差出磯大嶽山神社」
喜左衛門さんが住んでいた市川村近くの神社。ヨゲンノトリの御朱印、お守りがあります。
山梨市、万力公園からすぐ。松尾芭蕉も訪れた、とても有名な和歌の名所。差出の磯、雲海で盆地が海のように見えるそうで、すばらしい展望の神社です。
「龍泉寺」
喜左衛門さんがおそらく檀家だった、市川村にあるお寺。ヨゲンノトリのお札があります。
この龍泉寺さんと、通宝寺さん、清水寺さん、3つのお寺が暴瀉病流行日記に登場します。コレラの時、地域住民がこのお寺に集まって無事を祈願したとか。万年マツでも有名です。
山梨市市川2151番地