まだまだ寒い日が続きますが、こういうときは温かいボルシチなんていかがでしょう。今回は清里エリアに近頃オープンした、山梨でも珍しいロシア料理のお店のご紹介。清里の森のなかにある「清里のマリヤ」さんにお邪魔しました。

このお店、お友達の健康オタク女子から絶賛されました。とにかくボルシチがサイコーとのこと。あと自然志向ベジタリアンのお店ということで、そこ大事なところですね。ウオッカとか、ビーフストロガノフといった料理は、今のところメニューにないようであります。

お店に入ると、たくさんのロシア調度品が並んでいます。場所が冬の清里ということもあり、現地にいるような気分になってきます。

ここで日本語がやたらと堪能なオーナーママさん登場。すっごく優しそうなママさんです。コロナを機に首都圏を離れ、自然豊かな八ヶ岳山麓へ引っ越されたのだとか。

自然志向で、料理の野菜から具材までかなり厳選して選んでいるとのこと。ボルシチとエンドウ豆スープが二大看板メニューのようですが、やはりここは。。

ボルシチのセットメニューを注文してみましょう。

お～赤い。真っ赤で実に鮮やかなボルシチ！
なかにはビーツほか、ジャガイモや季節のお野菜が。すべて真っ赤に煮込まれて入っています。

かなり滑らかな、野菜の旨味が詰まったまる～いお味。横の席のお客さんも旨い旨いと堪能しておられます。白いサワークリームはほぼ必ずセットのようで、細かい味の調合が各家庭ごと、ってことなんでしょうか。サワークリームを混ぜるとさらに味がまろやかに！

隠し味でコショウの実が、前菜の発酵キャベツサラダにはナツメグが、スパイシーなアクセントがいろいろ効いてます。インドにも造詣が深いママさんということです。

これまで食べたことのないような爽やかでやさしい味のボルシチです。これは女性ファンを虜にするのも納得。

主役となるビーツには特にこだわりがあるようで、安全で美味しいビーツを各地から取り寄せているそうです。この色はダメとか、ロシアのママさんならではの選別基準があるらしく。。「安全で美味しいビーツが少ないの、誰か作ってくれないかしら」とのこと。付近の有機農家さん、ビーツを作られていたらぜひご提供を。

日によっては発酵させるのに１～２日かかる「天然酵母」パンが出るとのこと。酵母菌が時間をかけて自然に発酵したその味、しっとりして、柔らかすぎず硬すぎず。おいしいです。こういうのが本来のパンの味なんでしょうか。

パンにも食べどきがあるらしく「焼きたてのパン」というのは、案外日本特有の信仰みたいなもので、西洋の人たちは買ったパンをしばらく置いて食べるのが普通だとか教わりました。

オススメのパンの食べ方は、買ってすぐに食べずに、一晩二晩置いてよく馴染ませてから食べること。発酵したてのパンはまだ菌が活発で、消化に手間取ったりする＝お腹をこわしたりしがち、だそうですよ。・・そういえば心当たりあるような。

パンにせよボルシチにせよ。味がとてもやさしいです。その背景には、発酵やら消化のことやら、ママさんの細かい心配りがありまして。

ロシアといえばなんだかタフな、たくましいイメージがあったのですが(多分に小さいころから流れていたTVで受けた印象なのでしょう)、このやさしい感じ、新鮮でした。

少なくともここで食事をすると、その帰り消化不良でお腹の調子が悪くなるなんてことはほぼなさそうです。なんでしょうこの安心感。

セットコースということでもう一品、ウクライナの「ワレニキ」という餃子のようなクレープも付きました。なかには細かく刻んだ野菜が、ヘルシーながら食べ応えあります。上に乗っているのは、バターをさらに精製したギーということで、ここにも消化に対するやさしい心配りを感じます。

ロシアでもウクライナ国境あたりの地域がご出身というママさん、コロナで人の行き来が制限されるまでは旅行業もされていたそうで、ロシア旅行に興味があれば、紹介していただけるそうです。バイカル湖周辺が得意＆おススメの地域とのことですよ。

ほか、よくインドに行かれる関係で、定期的にヨーガ・瞑想教室なども開催しているとのことなので。ご興味があればぜひ問い合わせてみてください。

あとここのパンは素敵なお皿に乗って出てきますが、これ「ベレスタ」というシベリア白樺の皮を使った民芸品ということで、店内で買うことができます。

日本だと秋田の曲げわっぱみたいな位置づけなんでしょうかね。細工皮っぽくもあり木のようでもあり、軽くて素晴らしい手触りで、買いたくなっちゃいますよ。要チェック(^^)

ちょっとしたロシア旅行が体験できるお店です。清里方面にお出かけの時はぜひお立ち寄りを。